キーポン!"KEEEEEPON!"

福岡県出身。DiscoとTequilaをこよなく愛するDJが緩く地味に発信 from HONG KONG。
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アナログレコードの溝に込める思い
2008年 02月 21日 |
昨年から信じられない勢いでレコードショップが次々とクローズして行ってるのは、既にご存知の通り。



日本ではあのCiscoがネット販売のみに、Manhattanも買収・縮小!?、更には最大手のDMRまでもが買い手を探しているとまで。
その他にもSound of Blacknessや他にも小さな店が次々と。

自分の地元福岡でも色々とお世話になってたQueen's Soundが縮小してHip Hopサイドの店舗のみに。

多分こういう事が大小の規模問わず日本全国で起こってるんだろう。



いや、これはもう日本だけじゃなくて世界中で既に起きてる。

NYCでもSatelliteにDance Traxまで。
(Dance Traxと言えばJoe Claussellも昔働いてた事で有名な超名門店だった。
Londonには行った事はないけど有名な店舗やディストリビューターが倒産したという話も聞く。

確実に世界規模で衰退して行ってるアナログレコード業界・・・。



そしてそれに変わって音楽業界のフォーマットを変えてしまったMP3・データファイル。
圧縮して簡単に、大量に保存できる、曲単位でしかも安価で購入できるという事、もうあっという間に世間に浸透してしまったこのスタイル。

一般的に考えれば間違いなく革新的で素晴らしい出来事だと思う。
でもそれってDJ的にどうなんだろう?

っていう事については、もう多くの先輩方が触れているので分かってる人に言うまではないと思うけど。



時代は更に進化したもので、今はLaptopをミキサーに繋いでDJが出来る。
ソフトの種類も色々出てて本当にお手軽。
ショルダーバッグに入れてケーブルとヘッドフォンだけ持ってれば2,3分で準備も出来る。

更にはレコードとほぼ同じ感覚でターンテーブルを触りながらPCの音を鳴らせるSerato Scratch Liveなるものが登場してからは多くのDJが次々とそっちに移行。



「絶対あの人はPCは使うはずない!」と皆思ってたあのDJ Moodmanまでもが導入してしまったのは本当に衝撃だった。

確かにしょっちゅう県外海外に行ってプレイするようなDJには毎回大量なレコードを持っていくと空港で超過料金も取られるし、紛失などのトラブルの危険性を考えると商売道具の軽量化っていうのは大きいと思う。
そりゃ自分だったら恋人のように大事なレコードに万が一の事があったらと気になってしょうがない。

それでもこだわりとプライドを持ってアナログオンリーでやってる素晴らしいDJだってまだいっぱいいる。

自分もリスペクトしているDJのTheo Parrishは、あるインタヴューで「俺はFile JockeyじゃないDisc Jockeyだ」と言ってた。
そういうことだと思う。



世界には本当に色んな音楽があって、色んなスタイルのDJがいると思う。

アナログレコードの音質・質感・思いにこだわるDJ
レア・高額すぎてオリジナルがアナログでは手に入らない曲を必死にデータで探すDJ
アナログでは実現できない事をデジタルで、CDJで可能にするDJ
更にその限界を超えてPCで様々な音のパーツを組み合わせてLive感覚でプレイするDJ

どこででも手に入る曲を楽ちんでお金も掛からないからデータで買ってプレイするDJ



自分もそこまでキャリアが長いとは言えないけれど、アナログへの思いは人に負けないくらいある。

とは言え、今住んでいるこの土地にはDJが通えるレコード屋は1軒しかないし、通販して手に入るとしても10枚買って5000円くらいは送料が掛かる。
生活の状況を考えれば確かに辛い。
もういい年してるのに、学生のように食事を抜いて少しでもその分をレコードに回す事だってある。

アナログでどうしても手に入らない曲はデータででも見つかれば買うし、DJ中でもどうしても掛けたい時は掛ける。
CD・データを全面的に批判はしない。
でもやっぱり好きな曲ならそのクオリティで納得はいかないしレコードで欲しい。


自分の思いが
レコードの溝から
指の先から
カートリッジの針先へ
自分の手でミキサーをコントロールして
その音がスピーカーから
ダンスフロアの耳へ、心へ

今もこの気持ちは変わらない。




もう時代は、これからDJをやろうとする人がTechnicsのターンテーブルではなくPCソフトからチェックするところまで来ている。

ただ自分が思っているような事が果たしてそういう人達に伝わるだろうか?
重たいレコードバッグをカートで引っ張ってDJブースに辿り着くまでのテンションの上がり方が分かるだろうか?
音楽を安くで、フリーでダウンロードして1クリックで鳴らせるDJが同じ気持ちでプレイ出来るだろうか?



音楽は音楽だし自分の考えは古いのかもしれないけど、少なくとも自分のリスペクトするDJというのは、スタイル違いはあってもヴァイナルカルチャーへの理解とそのアティテュードは共通していると信じてます。



それが分かる人には、もっとその気持ちをただ共有するだけではなくて、外に向けて発信して欲しいと願ってます。



レコードは死なない、でも僕達のカルチャーを守る為にも、DJと名乗る人皆がこの事についてもう一度よく考えとないとまずい時期だと思います。
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by yamang | 2008-02-21 17:00 | thought |